ボアアップ (組み込み編)
(2012/05/30)
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■注意
ボアアップキットの取り付けにはある程度の専門知識、経験、工具が必要です。
自信の無い方は素直にショップにお願いすることをお勧めします。
また、改造は自己責任で実施していただきますようにお願いします。
(このページを参考にして改造した結果で何らかの損害を被ったとしてもみやつこは責任を取れません。)
<準備・エンジン降ろし編はこちら>
とまぁ、
最初に決まり文句を書かせていただきましたが要は楽しく自分の出来る範囲でやりましょう、
ということです。
■分解
さて、いよいよボアアップキット組み込みの手順になります。
前回の
準備編で、エンジン降ろしまで完了したのでいよいよバラしていきます。
まずはもろもろ外していきます。
温度センサー(左赤丸)はそのままスパナで外して、シリンダーカウリングを止めているボルト(右赤丸)を引っこ抜きファンカウルとともに取り去ります。
みやつこの場合、シリンダーカウリングのボルトが固着して外れなかったので外さずにそのまま作業しました。
(インパクトドライバーやネジザウルスでもダメだった・・・)
写真では既に抜けてますがゴムのブローバイホース(左の○)を引っこ抜き、ヘッドカバーのボルト2本を抜いてヘッドカバーを外します。
外れるとこんな感じにヘッドが見えます。
そしたら、写真なくてすみませんが、ファンの外周に付いてるマークとクランクケースに付いているマークが合うようにファンを手で回します。
(ピストンを圧縮上死点にする)
帽子みたいなゴムキャップを外すと写真のカムチェーンテンショナーアジャスターが見えるので、細いマイナスドライバーを穴に突っ込んで右に回るだけ回します。
赤丸のボルトを外すのですが、これを回そうとするとクランクが動いてしまって空転するのでクーリングファンを固定しながら外します。
ボルトが外れたら、デコンプカムストッパー、デコンプアーム、リターンスプリングを外します。元に戻せるようにちゃんと組み合わせを覚えておきましょう。
カムシャフトスプロケットも外します。このとき、カムチェーンをケースの中に落とさないように注意。
落としたら焦らず磁石で引っ張り出します。
取れました。
横の2つの小さいナットを外してから、シリンダーヘッドナット4つを対角線上に数回に分けて緩めていき外します。
そうするとヘッドが引っこ抜けるので手で引っ張ります。
このときノックピン(金属の筒)が2つ一緒に外れるので無くさないように注意。
ガスケットはスクレーパーで綺麗に除去しておく。
■分解(カムシャフト)
外したヘッドを横にして上から見たところ。
カムシャフトを交換する場合は、このロックナットを緩めてからアジャストスクリューを緩めます。
次にカムシャフトリテーナースクリュー(赤丸のプラスネジ)を外します。これは固かったので軽く叩いて回しました。
ピンをペンチで抜いておきます。無くしやすいので注意。
ロッカーアームシャフトを2つ外します。写真右のように8mmのネジをねじ込んで引っ張ると簡単に取れます。
左の○の箇所も同じように引っこ抜きます。
そうするとカムシャフトが外れます。
■分解(シリンダー)
シリンダーを取り外してピストンを露出させます。
シリンダーを外すときは、ゴムのカムチェーンガイドを引っ張り出してから手で手前に引きます。
また、ここにもノックピンが2つあるので無くさないように注意。
次にピストンを外していきます。
矢印のところのピストンサークリップを、ピッキングツールとかを駆使して外します。
これが外れたら、外れた方の反対側からピストンピンを押し出します。
こんな感じにピストンピンが外せます。
ピストンが取れたら、ガスケットを綺麗にしてオイルストーンで面を出しておきます。
写真を取るために変な角度になっていますが、水平に当てて使います。
ピストンの比較。分かりにくいですが確かに大きくなっています。
■組み込み
新しく組み込むピストンの矢印のところにサークリップを取り付けます。片方だけですよ。
ピストンにピストンリングを取り付けます。
下からサイドレール、エキスパンダー、サイドレール、セカンドリング、トップリングの順番です。
外した純正ピストンを参考にすると分かりやすいです。ちなみにオイル上がりを防ぐためリングの切り欠けは120度ずつずらしておきます。
向き、裏表もあるので注意。
ピストンリング外周と、サークリップ付けた穴、ピストンピンにエンジンオイルを軽く塗ります。
ここでピストンスカート部の面取りをしておくと慣らしが速く終わる&焼きつきにくくなるらしいです。
ピストンの矢印マークが下を向くようにしてコンロッドに取り付け、留めていない側にサークリップをはめる。
カムチェーンがクランクシャフトのカムスプロケットから外れていないことを確認、クランクケースの合わせ面を脱脂して準備をします。
準備できたら、ノックピン2つを入れてシリンダーを差し込んでいきます。差し込む前にシリンダー内側にエンジンオイルを塗りましょう。
ちなみに、ここが一番難しいところだと思います。
みやつこはピストンリングコンプレッサーを持っていなかったので、手でピストンリングを押しながらシリンダーに少しずつ挿入しました。
が、リングの角度を考えつつ少しずつ爪で押しながら挿入するのはけっこう難しかったです (ToT)
無事に入ったら、カムチェーンを引っ張り出します。
カムシャフトを元通り組み込みます。ピンを忘れないように注意。
カムシャフトリテーナスクリューの締め付けトルクは10NM。
合わせを綺麗にしたらガスケットを取り付け、ノックピンも忘れずに2つ入れます。
そしたらカムチェーンガイドを差し込んで、ヘッドを挿入します。
シリンダーヘッドナットを対角線上になるように数回に分けて締める(トルクは25NM)。
ただし、締める前にスタッドボルトが緩んでいることがあるので、その場合はダブルナットして締め込んでおく。
次にシリンダーヘッド横の2つのナットを締める(トルクは10NM)。
カムシャフトスプロケットを写真と同じように取り付ける。
穴の位置を合わせて、ケガキ線をシリンダーヘッドカバーの合わせ面と並行にします。
デコンプアーム、リターンスプリングを取り付け。
リターンスプリングの足はカムシャフトスプロケットの一番小さな穴にはまります。
デコンプアームを時計回りに写真の位置まで回します。このとき赤丸のところにスプリングのフックがあること。
確認できたら、デコンプアームストッパを取り付け、ボルトを締めます。(10Nm。ネジロック推奨)
カムチェーンテンショナーアジャスターのガスケットを交換して取り付け。
締め付けトルクは10Nmです。締め終わったら穴にマイナスドライバーを突っ込んで左に回します。
そうするとシャコッという音と共にアジャスターが伸びます。
■バルブクリアランス調整
クーリングファンとクランクケースの矢印が合っていることを確認したら、シックネスゲージを使用してクリアランスを調整します。
IN側(上側):0.05mm〜0.10mm
OUT側(下側):0.10mm〜0.15mm
みやつこはちょうど中間値くらいで合わせました。
合わせられたら、ファンを回してクランキングさせてもう一度圧縮上死点にしてから測ります。
(意外とズレるらしい)
ヘッドカバーを付けてボルトを締めます。
このとき、ヘッドカバーに付けるゴムのシールガスケットの周りに液体ガスケットを塗っておくと良いと思います。
特に半円のあたりが漏れやすいみたい。
ヘッドカバーのボルトは14Nmで締め付け。
プラグを取り付けます。
プラグレンチのサイズは対角16mm。

amon エーモン /プラグレンチ
ノーマルより2番冷え型がセットになっていました。
さて、後はがんばって元に戻しましょう。
エンジンハンガーを連結するのが大変ですが、リアサスよりも先にエンジンハンガーを付けた方がやりやすかったです。
さて、ここまででエンジンはかかりますが、セットになっていた武川のFIコントローラーを先に取り付けてからにします。
そしたらセッティングですね。
みやつこの場合、最初はエンジンかかるもののアクセル戻すと何の抵抗もなくストンとエンストしました・・・。
スロポジセンサーいじったり、スロットルのとこのアジャスターの調整でアクセルワイヤーの巻き量を変えたりしましたがダメで、しばらく騙しながら動かしているとなんとかアイドリングは出来るようになりました。
武川FIコンの設定はプリセットの「C」+α、iCon-Miniはダイヤル8と、かなり濃い目の設定にしていたのですが40キロくらいで走っているとエンストが頻発。
しかもアクセル戻した瞬間とかじゃなくて、アクセル一定でエンストとかしてくれちゃったんです。
やっぱり燃料噴射時間を伸ばすだけでは限界があるってことでしょうか。
どれだけいじっても、アイドリングは不安定、走りながらすぐエンスト、と全く乗り物として役に立たないレベルでした(笑)
ま、こういうセッティングを詰めていくのが楽しいんですけどね。
今はばっちり安定して走ってますよ♪
あ、わかってると思いますがちゃんと軽二輪登録はしましょうね。違法ですから。(笑)
そのうち軽二輪登録ノウハウも紹介します。
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